飛行機のレントゲン写真
今日は東大でお絵描きの授業。後は執筆ばかりしています。「骨」展に展示されるニック・ヴィーシーの写真群に添えるキャプションを書きました。
ニックのスタジオは放射線の警告マークが掲示される一般人立ち入り禁止の広大な敷地にぽつんとあり、重い鉛のスライドドアの付いた鉛線入りの壁で囲まれた建物、その中で防護服を着て仕事をするそうです。
彼の本によると、X線写真は実物大で撮影するのでフィルムも巨大、それを幅4メートル重さ300キロもあるスキャナーで読み込んでデータ化。ほんと力技ですね。そういう仕事場、私も欲しいなあ。
生物のX線写真では、X線を通しにくい素材である骨が鮮明に浮かび上がりますが、工業製品の場合には必ずしも骨格にあたる物がX線を通しにくい訳ではありません。例えばプラスチックでできた家電製品をX線で撮影すると、構造材にあたるプラスチックはうっすらとしていて、その内側にある電線や基板、モーターやバッテリーなどの金属がくっきりと写ります。つまり、生物の骨格写真では構造が見えているのに対し、人が作った物では、エネルギーや情報の流れ、力の伝達などが見えていることになります。そうした不可視の物を伝送する構造に、どことなく生命感がやどるのはとても興味深いことです。NIck Veaseyはロンドン郊外にX線撮影用に放射線遮蔽された巨大なスタジオを持っていて、ほとんどの作品はそこで撮影されます。航空機のような巨大な物は500カット以上の画像をコンピュータ上で接合して作られました。
[…] 飛行機のレントゲン写真 ニック・ヴィーシー via 山中俊治の「デザインの骨格」 崩れ行く「骨」 via 山中俊治の「デザインの骨格」 高速で走るロボット […]
[…] This post was mentioned on Twitter by Fifth Star, zunda. zunda said: 元はフィルムなんですねえ! RT @5thstar: 見てる:山中俊治の「デザインの骨格」 » 飛行機のレントゲン写真 http://bit.ly/90506p […]