養老先生、ありがとうございました。
光栄にも養老孟司さんと対談させていただきました。実をいうと私は最初とても緊張していたのですが、始まってすぐ、養老さんがこんな事を。
「最初にちょっと意地悪なこと言うとね、僕は人間が作ったものには興味がないんだよ」
ええええっ、「デザインに興味なし」ですか。会場大爆笑。
でも実はこれですーっと気が楽になりました。確かに私たちデザイナーの考えたものなんて、生物の体を長く研究してきた人から見れば、たかが知れているかも。その後は、すっかり学生に戻った気分で色々質問させていただきました。
昆虫の関節がデジタルだって話、骨は一生涯太り続けるって話、ゾウムシのディティールの話、軟骨がほとんど水だって話。
すっごい楽しかった。ほとんど「対談」じゃなかった気がします。私はそれで大満足なのですが、もし山中の話も聞きに来た奇特な人がいらしていたらごめんなさい。
個人的に一番うれしかったのは次の言葉でした。
「あのグニャグニャしたの(多分Flagellaのこと)ずっと見てたくなったね。実は固いものでできてるってすぐ教えてくれちゃったけど、自分で気がつきたかったなぁ」
養老先生ありがとうございました。
(写真:吉村昌也)
大変楽しいトークでした!
山中さんが時計を細部まで分解したものを展示いていると言うと
養老さんが、しょっちゅう虫を分解しているという切り替えしの部分
笑えました。
あの「なんとなく」っていう質問に対する応えも興味深かったです。
[…] ネタかぶりのついでという訳でもないのでしょうが、会期中にセミナーを依頼されました。壇上で初めてご一緒させていただく倉谷さんは、生物の形態の進化や発生について研究されています。亀の甲羅がどうしてああいう形に進化したのかについても研究されているみたいなので、是非そのあたりの話も聞いたみたい。生き物のデザインVSプロダクトのデザイン。骨展でも養老孟司さんに言われてしまったように、勝ち目はないですが、エキサイティングな話になりそうで、私もわくわくしています。 […]