Project F: 小山薫堂さん、猪子寿之さんと

Works — yam @ 10月 7, 2009 6:08 pm

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放送作家の小山薫堂さん、Team Labの猪子寿之さんのお二人と協力して携帯電話をデザインしています。コードネームはproject-F。Fは富士通のFです。コンセプトワークが小山さん、プロダクトデザインが私、コンテンツデザインが猪子さんの役割分担で7月から進めてきました。

小山さんは、人を包み込むような自然体の方です。小山さんが今回のプロジェクトのために書かれたプロットには、ご本人の印象と同じく、おだやかな時間の流れを感じさせる言葉が並んでいました。

かつて、坂井直樹さんのコンセプトでO-productやEcruをデザインしたときを思い出しました。共感できる価値観を持った人の言葉を聞きながら、その人が喜んでくれるようなプロダクトをデザインする。その作業は、自分のためになにかをデザインするときより、むしろ喜びを感じます。ソットサスが言うようにプロダクト・デザインが、使う人へのプレゼントであることを実感する瞬間なのかもしれません。

8月の暑いある日、私から小山さんへのプレゼントのつもりで描いた数枚のスケッチを並べたミーティングが行われました。小山さんはそのうちの1枚を指差して一言。

「これいいですね。これがこのまま出たら即座に買いますよ」。その案は、私が一番最初に描いたスケッチで、オーセンティックな二つ折りタイプでした。

今、多くの携帯電話のデザインが、折りたたみやスライドなどの構造を隠すようにデザインされています。しかしそのスケッチで描いたのは、あえて「ヒンジ」を強調したスタイルでした。イメージは「コンパス」です。

実は一緒に見せたスケッチの中には、今までにない構造を提案しているものもありました。そのアイデアは、その場にいた富士通のデザイナーの方々にはとても受けが良かったのですが、小山さんいわく「うーん、作る側がおもしろがっているだけに見えます」。

小山さんはとても価値観の明快な方です。おかげで迷いなくデザインできました。

一連の小山さんと私のやり取りを見て、猪子さんが、美しいコンテンツを作ってくれました。2画面のタッチパネルという私の提案の上に、よどみなく流れるようなインターフェースが構築されています

まだ、製品化できる段階ではないのですが、このモックアップとコンテンツ映像は、小山さんの手書きのコンセプトシートと一緒に、10日までCEATEC富士通のブースに展示されています。

3 Comments »

  1. 携帯の機能ばかりが取り沙汰されていますが、
    デザインがカッコイイ物を人は持ちたいものです。
    特に大人は。
    COMPASS・・・デザインもネーミングもかっこいい。
    ボディの薄さとヒンジのバランスも絶妙です。
    製品化待ってます。
    でも、どこの携帯会社だろ?
    あと、コンテンツのビデオが見られないのは、きっとこちら側が原因なんでしょうね。
    真っ暗なままで・・・。
    ちょっと探ってみます。

    コメント by powaro — 10月 12, 2009 @ 9:39 am
  2. powaroさん
    いつもコメントをありがとうございます。
    製品化のめどは立っていませんが、少々薄すぎる以外は技術的に難しい所は少ないので実現を目指したいと思います。
    コンテンツのビデオが見られないのはflashのバージョンの問題でしょうか。
    下記のurlが映像への直リンクになります。
    http://vimeo.com/6920453

    コメント by yam — 10月 12, 2009 @ 11:20 am
  3. ありがとうございます。
    ビデオ無事見る事が出来ました。
    もの自体の繊細なデザインと、
    内部の先進的な機能のギャップが
    わくわく感を増幅させますね。
    携帯の操作って私にはとっても面倒なので、
    楽しく、美しく・・・っていうところが
    とても魅力的です。
    実現を心よりお待ちしております。

    コメント by powaro — 10月 12, 2009 @ 11:52 am

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